祭が起こって

久しぶりに、スケジュールアップ以外でブログを更新する。
先月末のライブ『祭の起』のことを、どうしても記しておきたかったからだ。

桑原滝弥さん(以後タッキーと呼ぶ)とは、10年以上前に名古屋のTOKUZOというライブハウスで出会った。
(検索してみると、それは2003年1月17日のことだったとTOKUZOのサイトに記されていた)
その日、私は歌人福島泰樹さんの『短歌絶叫コンサート』で出演、その日のOAというかTOKUZOイチオシの詩人が2人朗読をしてくれたうちの1人が、その頃はまだ名古屋界隈にいた(今は東京)タッキーでした。
終演後、例によってTOKUZOで打ち上げが始まり、(私は酔っ払っていたので)その日のことは実はタッキーの方が詳しく覚えているけれど、福島御大がタッキーのことを「きみは本物だ」と誉めつつも「情を書こう」としきりにすすめていて、それを聞きながらもイマイチ腑に落ちなかった私は、こそっと「でもそういうことを避けて、いろいろ削ぎ落としてやってるんだもんね」みたいなことをタッキーに言って、なんとなく打ち解けた感じになってから、お互いのライブを観に行き合うようになり、一緒にステージをやったりするようになって、そして2014年10月13日、ついにソロvsソロで相見える日が来た。
その筈だったのだが、颱風襲来でライブは中止になり、いつかリベンジをと思っていて、ようやく実現する運びになったのでした。

中止になってからずっと気になっていたライブだったので、この日を迎えるにあたって心の奥底でいろんなことを思いつつも心静かに当日を迎えた。
こういう日は、良いライブになるのが常で、あまりにも平常心なのは駄目だけれど、いい感じで年月が醗酵させてくれた感覚を得ていた。
当日会場入りして会うやいなや、お互いが好きな格闘技の話になり(この辺をいきなり振ってくるのがタッキーらしい)、少し各自のリハーサルや段取りを決め、タッキーとこの前日7/30に開かれた、ポエトリースラムジャパン大阪大会の主催者・詩人の河野宏子さんが来てくれたので某有名珈琲チェーン店で小腹を埋めて本番を迎えました。

2017.7.31. @BIG APPLE
『祭の起』
桑原滝弥(詩) 島田篤(音楽)
1st.
1. 線香花火
2. 天使
3. 僕はいくよ
タッキーSOLO
2nd.
タッキーSOLO
1. ささめごと〜いっしょ
(2. 初月かすむ)
3. I had a dream
4. こもごも
5. 塵の記憶
6. 祭の起(タッキー朗読〜島田唄)

お互いのソロをたっぷりと最後に2人で、という構成。

タッキーは、1stセットで普段あまり読まない雑誌連載中のエッセイを読み、2セット目は「祭の起」のあとに出来た「そして祭が生まれる」を中心に、しっかり大地に根を張ったステージ。
朗読はとても奥深いもので(どんな表現もだが)、実は数日後に朗読を半分くらいやるライブを控えていたけど、今回のタッキーを観て肩の力が抜けたような気がした。


タッキー自身が、
「これまでに経験したことがなかった不思議な感覚を味わった」
とブログ(桑原滝弥情報ブログ)に書いてくれているのと同様、私もまた不思議な感覚や、いろいろと見えたこと、わかったことがある。
具体的にはここには書かないけれど、これは今後しっかり自分の中に息づいていくものだ。

「詩を詠むように、絵を描くように」音楽をするのが理想だと思っている私と、音楽や芝居という舞台を経て詩に向き合うタッキーと。
地味に、でも確実に自分の実になったと思えるライブを出来たのは誇らしい。
またいつかはわからないけど、機が熟したらまたやりたいと思う。


このライブの動画を、お客さんのSさんがアップしてくださってます。
(Sさん、いつもありがとうございます!)

これは俳句のように言葉を連ね唄にした「初月かすむ」。

タッキーが詩を書き、私がそれに曲を付けた、今回のライブタイトルにもなっている「祭の起」。
不思議な詩で、それが私への当て書きみたいになってると感じるところもあったので、唄っている最中いつもとても不思議な感覚に落ち入る曲。
この詩の成立した背景を、この日タッキーが話してくれて、益々不思議な感覚が増すのと、背景を唄うのではないけれど、真っ白だった自分の中に確かな拠り所というか支柱ができたのを感じた。
タッキーの朗読から、私の唄へと繋がっています。

最後になったけど、この日この時空に居合わせた皆さん、気にかけていただいた皆さんに感謝を!!

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