6/22 中林憲昭追悼ライブ

ちょうど1年の節目に、中林さんと様々な時代に関わりがあった、こんなに忙しい面々のスケジュールが合うのも凄いことだなあと思った。

nakabayashi_tsuitou
左から(敬称略)
カルロス菅野(vocal)(飛び入りでした)、中島教秀(bass)(この写真撮影時には既に次の現場だったので合成です)、沢村光(operator)、田村賢一(cello)、清水興(bass)、西島芳(piano)、清水武志(piano)、泉尚也(bass)、中林布欣子、平山修三(vocal,drums,guitar)、平山國次(guitar,vocal)、島田篤(piano,vocal)、武井努(sax)、梅本啓介(drums)

2015.6.22.@心斎橋Soap Opera Classics


中林さんと初めて会ったのは、彼の楽曲「Shampoo」と「Is it you ?」のデモを録った時。
ギターの平山國次さんの紹介だった。
國次さんがアレンジを施し、NANIWA EXPのベーシスト・清水興さんが立会ったそのレコーディング。
國次さんのギター、サックスの塩谷博之さん、コントラバスの中島教秀さん、ドラムスの梅本啓介さん、そして私というメンツ。

その後、そのメンバーでアコースティック楽器でロックをやるというコンセプトのバンド Wooden Pipe が始まる。
ライブを重ねデモレコーディングも何度か行い、サックスが塩谷さんから武井努さん、そして鈴木さんに変わり、パーカッションに芳垣安洋さんが加わり、私はピアノだけからシンセを少し導入し、と変遷があったそのバンドが紆余曲折を経て終了する。

そして少しの時を経て、今度はよりシンプルな編成でピアノとコントラバスだけでやりたいと中林さんから連絡があり、教秀さんと3人でのバンドというかユニットが始まり、やがていずれストリングスを入れてライブやレコーディングをやりたいという中林さんの希望から、優秀なストリングスアレンジャーでもあるチェリスト田村賢一さんを私が引き入れ、その頃からだったか定かではないが think pink ! というユニット名に。

4人でのライブからストリングスも入ってのライブを重ね、ベースが岡野裕和さんに変わり、やがてビクター傘下のインディレーベルからCDをリリースすることになり弦4を入れてレコーディングをしたのが2002年の『colours of my dreams』。

その後私が脱退し、後を西島芳さんに託してからは中林さんに会うことはなかったが、各方面から噂は耳に入っていた。
ユニット名を Think pink syndicate に変え、2005年にはストリングスを大フィーチャーした『I was here』を、2007年には更にホーンセクションも加えた『無用(No Need)』をリリース、それが最後のCDとなる。

中林さんが倒れたという噂が耳に入り、奇跡的に一命を取り留めて少しずつ回復をし、ライブ活動もやり始めていたその矢先、昨年のちょうど日付が6/22に変わった頃危ないとの報せ、そして見送りましたとの訃報が。


こうして振り返ると、2002年を最後に私は会っていないけれど、そこまでの付合いの中での中林さんの、怒り出すと手がつけられないところや、でも年上なのに妙になつっこく寂しがりでどうにも憎めない人柄や、人一倍人間や生き物に対する愛情や優しさを見ていた私の中で、一緒に音楽をやっていた時間は、その中での人との出会いや、理想が高く完璧主義な中林さんのサジェスチョンを含め、でも何より彼の類い稀な楽曲の素晴らしさとロックボーカリストとして希有なカリスマ性を持った格好良さから得たものはとても大きく得難い。


今回修ちゃんから連絡があり、ライブに参加することになって一番考えたのは、中林さんみたいに唄うことはできないぞ!ということ。
唄は主に修ちゃんと私で振り分けたけれど、初めて唄う曲も多く、あのドスの利いた、でも粘りと腰があってちょっとハスキーで艶っぽい声と、コントロールされた唄を再現できるわけはないし、それはわかっているけれど、私の頭の中では中林さんの唄が鳴っていて、それはもうどうしようもなくて、当日までヒヤヒヤしていたのが正直なところ。

当日もかなりのプレッシャーがあったけれど、素晴らしいメンバーの演奏に支えられてなんとか終わったし、唄っている最中には演奏が心地良く、リハーサルの時から物凄い得をしている気分になったことを告白しておきます。


この日のライブの撮影をしていただいた池田さんが、超特急の作業で全曲動画をアップしてくれたので是非ご覧ください。

Rose

教秀さんの曲に中林さんが詞をつけたもの。
ピアノとコントラバスの厳かなデュオで開幕。

Pale Blues

ソプラノサックスとドラムが加わり、軽快なワルツに乗せた、美しい佳品。
当時から好きな曲でした。

I Had A Dream

元来インストのアンビエントでミニマルな私の曲を聴いて中林さんが詞を付けてくれたもの。
初めて唄ったけれど、西島さん、武井君、田村君の演奏が素晴らしく、とても楽しめた。
リハーサルも本番より更にアブストラクトでカオスな展開で面白かった。
いつかこのメンバーで自分の曲のライブをやってみたいなと思ったり。

君とフォークダンス

流麗なクイーンズイングリッシュを話した中林さんらしく、アイリッシュな3拍子の曲に乗せた可愛い歌詞が楽しい。
でも唄ってみると結構大変です。

Rain

平山兄弟とベースの泉さんが昔やっていたバンド・スイートエリアの楽曲で、曲を國次さん、詞を中林さんが書いた。
当日忙しい中都合をつけてお客さんしに来てくれていた、熱帯ジャズ楽団のリーダー・カルロス菅野さんが途中ボーカルで参加してくれて、ほぼスイートエリアとなり、昔ながらのファンは感涙もののプレミアムなテイクに。

Yester Night

これもスイートエリア時代の曲。
作者は上記「RAIN」と同じコンビ。
名曲です。
泉さんのベースが何気にいい。
この曲だけじゃなくて、このライブ中ずっと、中林さんの唄が私の中では鳴り響いていて。
なんだか、自分が唄っていてもその声が聞こえていました。

Elegy

これもスイートエリアシリーズで、Think pink syndicateのアルバムにも収録されている曲を3声ハモりで。

500 Miles

『colours of my dreams』に入っている中林さんが愛した名曲のカバー。

Bamboo Cafe

『無用』に入っているボサノバ調の爽やかなテイクだけど、楽屋ではこんな爽やかな曲あったっけ?とレコーディングに参加していた西島さんと梅ちゃんが話していた。

Empty Heart

ピアニスト清水武志さんの曲を気に入り中林さんが詞を付けたもの。
共演歴の深い武井君と清水さんの信頼関係が目に見えるような演奏。

Till There Was You

ビートルズのバージョンが有名だけど、中林流はスローなスウィングで。
いわゆるボーカリストの役目を大マジメにやったのは、この日が初めてかも知れない。
手持ち無沙汰でどうしていいかわからなくなるけれど、俯いてやるわけにはいかない。
ボーカルの大変さが身に沁みましたが、武井君が隣で微笑みながら吹いてくれるのに勇気をもらいました。

God Bless The Child

何度も演奏した曲。
國次さんがチューニングを半音落として弾いているギターのサウンドが気持ちいい。

Purple Haze

これも何度も演奏した曲。
ベースが清水興さんで、中林さんのバージョンともジミヘンのオリジナルとも違うけれど、ピアノとベース丁々発止のやり取りが面白かった。
興さんのバンド全体を鼓舞するようなぶっといグルーブは特筆ものです。
しかし、やはりボーカルの大変さが身に沁みた…。

Tiff

ラストに相応しい切なくなるバラード。

これぞ中林憲昭という代表作が他にもありますが、それはやはり唄が中林さんでないと無理だということでやれなかったので、本物を聴いて欲しいということも含め、CDを【Think pink syndicate】で検索購入して聴いてみてください。
この記事もこの日いただいた私が不参加のCDを聴きながら書きました。


実はこの日は、既に私にとって絶対に忘れられない日の内の一つだったんだが、中林さんの命日も同時に毎年毎年思い出すことになってしまった。

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